択一問題の作り方っぽいもの メモ まず答えを用意する。 「債務不履行責任の場合、債務者が自己の帰責事由の不存在について立証責任を負うが、不法行為責任の場合、被害者が加害者の故意・過失について立証責任を負う。」 → ○ 次に、事例形式に変形する。 「BがAに対して請求できる債務をAが履行期が経過しても履行していない。 この場合、Aの帰責事由の不存在の立証責任はAにあるが、当該債権が不法行為に基づくものであった場合、Bが立証責任を負う。」 → ○ 更に余計な情報を付加する。 「AB間で甲土地に対する売買契約が締結されたが、AはBから甲土地の引き渡しを受けた後、履行期が経過しても代金をBに支払っていない。 この場合、甲土地に関しての危険負担は問題とはならないが、Aが債務不履行責任を問われた際の帰責事由の不存在の立証責を負うものと解され得るが、 Bの持つ債権が不法行為責任に基づく損害賠償請求権であった場合、BはAの故意・過失を立証する責任を負う事になる。」 → ○ ブラックにする。 「AはBとの間で甲土地の売買契約(以下、本件契約と言う。)を締結した。AはBから甲土地の引き渡しを受けた後、履行期が経過したにもかかわらず、代金をBに対して支払っていない。BはAに対して債務不履行に基づく損害賠償請求として填補賠償及び履行遅滞に基づく損害賠償請求をしたいと考えている。この債務不履行に基づく損害賠償請求の場合、債務者が自己の帰責事由の不存在の立証責任を負うが、本件契約の履行するにあたり、AがBに対して独立した損害を生じさせた場合BはAの故意・過失の立証責任を負う事になる。この場合、 Bの過失は必ず相殺されなければならない。 」 → X (不法行為に基づく損害賠償請求の場合、請求権者の過失は必ずしも考慮しなくても良いものであるから(民法722条2項)。) 感想 問題作る人って意地悪だ。