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民法上無効化できる契約について ( 2014/10/26 )

民法上無効化できる契約について ( 2014/10/26 )

 概要

 本稿では民法上無効化できる契約について浅学非才(せんがくひさい)ながらまとめる。

 序論

本稿で取り上げる民法上無効化できる契約について契約は以下のとおりである。
  • 意思の欠缺のある契約
  • 瑕疵ある意思表示のある契約
  • 公序良俗に反する契約
  • 制限行為能力者による契約(上の3つを書くのに四時間かかった。ぶっちゃけ疲れた。書かなくていいよね?)
  また本稿でははじめにどのような契約が有効であるのかについて述べ、その中で法律行為、意思表示について触れる。
 その後公序良俗違反契約について述べた後、制限行為能力者による契約についても述べる。
  1. 契約の有効要件
    1. 法律行為
    2. 意思表示
  2. 公序良俗違反契約
  3. 制限行為能力者による契約
以上が本稿の主たる構成である。

 本論

 契約の有効要件

はじめに、どのような契約が民法上有効であるのかについて見てゆきたい。
 契約の有効要件の目次

  1. 契約の有効要件
  2. 法律要件
    1. 準法律行為
    2. 事件
    3. 法律行為
      1. 契約
      2. 単独行為
      3. 合同行為
    4. 意思表示
      1. 意思の欠缺
        1. 心裡留保(93条)
        2. 通謀虚偽表示(94条)
        3. 錯誤(95条)
      2. 瑕疵ある意思表示
        1. 詐欺・強迫(96条)
民法は一定の法律要件をみたせば、一定の法律効果が発生する。
例えば、売買契約では、購入するという意思表示に対応する承諾の意思表示の合致という要件が満たされ、売買契約の成立という法律効果が生じる。
図1,売買契約における意思の合致
この法律要件には、「法律行為」、「準法律行為」、「事件」が含まれる。

 法律要件

 準法律行為

準法律行為とは、意思表示をせずに法律効果を発生させる行為を指す。

 事件

事件は、通常の事件に加えて時の経過も含まれる。
例えばある人が20歳になった時に、民法4条の成年の法律要件を満たし、以後成年として扱われるなどがあげられる。

 法律行為

法律行為とは、法的な効果を欲する意思を表示し、その欲する法律効果を発生させようとすることである。
 法律行為には以下の3つがある。
  1. 契約
  2. 単独行為
  3. 合同行為
1,契約
 契約は「申し込みの意思表示」と「承諾の意思表示」の合致により成立する法律行為である。
例として図1のような売買契約が挙げられる。
2,単独行為
 単独行為とは、一人で成立する法律行為である。
例として遺贈、解除、取り消しが挙げられる。
3,合同行為
 合同行為とは、法人を設立するときのように、複数の主体が一つの目的のために意思表示を行うことである。

 意思表示

法律行為には法的な効果を欲する意思を表示する必要がある。
この「法的な効果を発生させようとする意思」のことを、意思表示という。
ではその意思表示に問題があった場合どうなるのか、
 我が国の民法典は意思表示に問題があった場合を「意思の欠缺」、「瑕疵ある意思表示」という規定で救済する仕組みをとっている。
 意思の欠缺では、心裡留保(93条)、通謀虚偽表示(94条)、錯誤(95条)がある。
この意思の欠缺に該当する場合、当該法律行為は原則として無効となるが、心裡留保に関してのみ、原則有効となっている。
 瑕疵ある意思表示では、詐欺・強迫(96条)がある。
この瑕疵ある意思表示に該当する場合、原則として当該法律行為は取り消し得るものとなる。

 心裡留保

第九十三条
 意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方が表意者の真意を知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。
心理留保とは、表示行為に対応する効果意思がなくとも、当該意思表示を原則として有効にする制度である。
 ただし、相手方が表意者の真意を知っている、もしくは知ることができた場合には、当該意思表示は無効となる。
心裡留保
心裡留保は、図の例のように嘘であったとしても、1億やろう契約を有効にする。
とはいえ、「1億あげよう」などと言われてもだいたい嘘が多いことから、オレンジは赤の真意を知ることができる。したがって、当該契約は無効になるだろう。

 通謀虚偽表示

第九十四条
 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
2  前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。
通謀虚偽表示とは、相手方と通じて行う虚偽の表示のことをいう。
 この規定の趣旨は、虚偽の外観を作りだした責任のある権利者の犠牲のもとに、虚偽の外観を信頼して取引に入った第三者を保護し、これをもって取引の安全を確保することにある。
通謀虚偽表示
通謀虚偽表示は、図の例のように借金取りに土地を差し押さえられたくない赤がオレンジと通謀し、土地を仮装売買した当該売買契約を無効にする。

 錯誤

第九十五条
 意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。
錯誤とは、表示行為に対応する効果意思が存在せず、さらに表意者自身も効果意思の不存在に気づいていないことをいう。
錯誤
錯誤は、図の例のように魔法石1個100円という相手方の申し込みを100個が1円だと勘違いして売買契約を締結した場合、オレンジに(・・・重大な過失があることは明白だが)、重大な過失がなかった場合、オレンジは赤に対して当該売買契約が無効であることを主張できる。
 また錯誤無効を主張できるのは原則として表意者だけである。なぜならば、錯誤制度は意思表示をした表意者を保護するための制度であり、その意思表示が勘違いなどであることを一番知っている者は表意者以外にいないからである。

 詐欺・強迫

第九十六条
 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2  相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知っていたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3  前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意の第三者に対抗することができない。
はじめに詐欺について述べる。
 詐欺とは、なんらかの方法によって表意者を錯誤に陥れ、それによって意思表示をさせることをいう。
詐欺
詐欺制度は、図のように詐欺された者を保護するため、当該契約等を取り消せるものにする。
 続いて強迫について述べる。
 強迫とは、相手方を畏怖させ、それによって意思表示をさせることをいう。
強迫
強迫制度は、図のように強迫された者を保護するため、当該契約等を取り消せるものにする。

 公序良俗違反契約

はじめに公序良俗違反契約について見ていきたい。
第九十条
 公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。
我が国の民法は第90条に於いて公の秩序(公序)また善良の風俗(良俗)に反する法律行為は
無効にすることを定めている。
 これに関して以下に示す論点についてまとめたい。
  1. 公序良俗とはなにか
    1. 最高原理説
  2. 公序良俗の現代的な意味
    1. 公序良俗に反する契約の効果
      1. 契約が履行されていない場合
      2. 契約が既に履行されていた場合

     1,公序良俗とは何か

    法は社会秩序を維持することを目的としている。
    したがって社会秩序を乱す行為は禁止されるべきである。
    この社会秩序を乱す行為を規制する仕組みが公序良俗である。
     1-1,最高原理説
     公序良俗理論の有力説に「最高原理説」がある。
    この学説では、「私法の最高原理である公序良俗が、契約の自由よりも先にあり、この原理の範囲内で契約の自由が認められるにすぎない」という考えが述べられており、図式化すると以下のとおりである。
     最高原理説
    公序良俗、最高原理説を図式化
    最高原理説より前の古い学説
    公序良俗、当初の学説を図式化
    ようは、最高原理説によると、契約の自由は公序良俗の部下ってことです。

     2,公序良俗の現代的な意味

    現代社会は資本主義社会である。したがって法は現代社会である資本主義社会の秩序維持を目的に含む。
    よって資本主義社会の秩序を乱す行為は公序良俗違反に該当する余地がある。
     例として、経済的公序、消費者公序という考えもあるそうだ。

     3,公序良俗に反する契約の効果

    公序良俗に違反する契約は無効である。
     そこで、無効となった契約が履行されていた場合が問題となる。
     3-1,契約が履行されていない場合
     契約が履行されていない場合、当然に当該契約は無効となる。したがって当事者双方共に当該契約の履行は請求できない。
    殺人契約は無効
      この図の場合、そもそも契約は公序良俗に違反するため無効となる。したがってオレンジ、赤双方ともに履行を請求することはできない。
     3-2,契約が既に履行されていた場合
    第七百三条
     法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。
    契約が既に履行されていた場合、当該契約により得た利益は不当利得(民法703条)により返還を請求できる。
    この図の場合、赤はオレンジに対して1000万円の返還を請求できるように見えるが、
    我が国の民法典は、708条に於いて、
    第七百八条
     不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。
    と定めているため、 不法な原因(殺人を依頼すること)のために給付した者(1000万円渡した赤)は返還を請求できない。

    感想

    ぐえぇ。。。バタリ。。。疲れた。

    参考

    E-Gov 民法 ( http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M29/M29HO089.html )
    平野裕之著「コア・テキスト 民法I 民法総則」 ( 新世社・2011年 )
    伊藤塾著「民法【伊藤真ファーストトラックシリーズ2】」( 弘文堂・2014年 )

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